ツリーハウスで過ごした夜

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火を囲む夜には、その場でしか生まれない時間がある。

先日、年に何回か集まっている知人のツリーハウスで、一晩過ごしてきました。

山の中に入っていくと、明るいうちはただ木が多い場所だった景色が、日が落ちるにつれて少しずつ別の表情になっていきます。
暗くなると、木の高さや空の残り方、火の明るさが急にはっきりしてきて、昼間とはまったく違う場所みたいになります。

この日の楽しみのひとつは、銅の羽釜で炊く筍ごはんでした。
火を見ながら、道具の具合を見ながら、少しずつ仕上がっていくのを待つ時間も含めて、ああいうごはんはもう料理というより、その場の出来事なんだと思います。

炊き上がった筍ごはんは、やっぱりうまかったです。
外で食べるからというだけではなく、火の気配や、そこにいる人たちの空気も一緒に入っている感じがしました。
ちゃんと手をかけて、その場でできあがったものを、その場で味わう。
それだけのことなのに、妙に記憶に残ります。

焚き火のそばでは、食べたり、話したり、少し黙ったりしながら時間が流れていきました。
音楽が混じる場面もあって、笑い声もあって、でもずっと騒がしいわけではなくて、ところどころに静けさもありました。
そういうバランスが、すごく心地よかったです。

自分はこういう時間が好きなんだと思います。
何か特別なイベントというほど大げさではないけれど、
ただ集まって、火を囲んで、手を動かして、食べて、話して、夜が更けていく。
大人になってからの遊びというのは、こういうものの方がむしろ贅沢なのかもしれません。

海にいる時とも少し似ています。
自然の中にいて、何かをコントロールしきるのではなく、その場に合わせながら時間を過ごしていく感じ。
山でも海でも、自分にとって気持ちのいい時間には、どこか共通したものがある気がします。

このサイトを始めるにあたって、こういう夜はきちんと残しておきたいと思いました。
派手な出来事ではなくても、あとで自分が読み返した時に、火の色や木の匂いや、あの夜の空気まで少し思い出せるように。

ツリーハウスで過ごした夜は、
ただ楽しかったというだけではなく、
これから先も自分が大事にしたい時間の形を、静かに見せてくれた気がします。